こんにちは、yeni ディレクターの九冨 里絵(くとみ りえ)です。


デザイン性を重視したランジェリー、補正下着などジャンルを問わず、多くのブラジャーやショーツは着用時の身体の美しさと締め付けなどの着心地のバランスが大変重視されます。


色や装飾という上物のデザインへのこだわりだけで下着をつくることはできません。

生地やゴムの伸び率、ホックの数、カップのつくり、細部にまで計算が必要です。


下着を作り始めた時、難しく感じたのは心躍るデザインと機能性の両立でした。無理な締め付けを我慢することなく、デザインを妥協することなく、一番好きな自分でいることができる、心地良い下着を目指しました。

 

このコラムではブランドディレクターの目線で「ランジェリーという装飾品」であり「アンダーウエアという消耗品」でもあるyeniの下着づくりの哲学についてお話しできればと思います。


今回は「ニュービューティを学ぶおすすめコンテンツ」をご紹介したいと思います。


トールガール(2019)

 

 

背が高いことに強いコンプレックスを感じている女性が家族、友人、恋人との関係を通じて、自分らしさを見つめ直していくストーリーです。
高校生が主人公ですが、30代の私が観ても、ハッとする内容でした。

[あらすじ]学校一のっぽの女子高生ジョディは、自分の身長にコンプレックスを抱える毎日。からかわれながら人目を避けて猫背で過ごしてきたジョディは、自信を持って等身大の自分でいられる道を探すことを決意する。


大人の恋の測り方(2016)

 

 

公開時に映画館で観た当時から素敵な恋愛映画だなと思っていましたが、よく振り返るとボディポジティブについて考えるきっかけになる映画でもあるなと思い、リストに追加しました。

[あらすじ]
辣腕弁護士のディアーヌは、夫と離婚して3年経つが、新しい恋は未だ見つけられず。
仕事のパートナーでもある元夫とはしょっちゅう口論になり、むしゃくしゃする気持ちで帰宅した彼女のもとに、電話が入る。ディアーヌがレストランに忘れた携帯を拾ったので、渡したいという。
電話相手の知的でユーモラスな口調にほのかなときめきを覚えたディアーヌは、さっそく翌日彼と会うことに。
彼女の前に現れたのは、自分よりもずっと身長の低い男性だった。
当てがはずれた彼女は早めに切り上げるつもりが、茶目っ気たっぷりのアレクサンドルの話術にいつのまにか魅了されていく。
リッチで知的で才能あふれる建築家の彼は、そんなディアーヌにいままで経験したことのないエキサイティングな体験をプレゼントしたいと申し出て、デートの約束を取り付ける。
果たしてこの恋の行方は…?ディアーヌは周囲の目を気にすることなく、自分自身の先入観も克服して、アレクサンドルを受け入れることができるのか?

アイ・フィール・プリティ(2018) 



自分の気の持ちようでこんなに世界が変わるんだ、と勇気がもらえる作品です。自己肯定感があがります。太っていることに対するコンプレックスが少し誇張表現な気はしますが、共感できます。

[あらすじ]
自分の容姿にコンプレックスがあり、仕事も恋も積極的になれないレネー。ある日、自分を変えようと通いはじめたジムでハプニングに見舞われ、頭を打って気を失ってしまう。そして目覚めると、絶世の美女に変身していたのだ(と思いこんでしまう)!見た目はそのまま、超絶ポジティブな性格に生まれ変わったことでレネーは自信に満ち溢れ、仕事も恋愛もすべてが絶好調になるが…!?

ロマンチックじゃない?(2019)

 

 

主人公ナタリーを演じるレベル・ウィルソンの衣装がすごく素敵です。
『アイ・フィール・プリティ』と近いストーリー進行ですが、『ロマンチックじゃない?』の方がポップな印象です。明るい気持ちになれる作品です。

[あらすじ]
ニューヨーク市で建築家として働くナタリー は、仕事で認められようと奮闘するものの、頼まれることといえば、超高層ビルの設計とはほど遠いコーヒーとベーグルのお使いばかり。追い打ちをかけるように、ナタリーは路上で強盗に遭って意識を失ってしまう。目覚めた彼女を待っていたのはとっておきの悪夢。恋愛をずっと皮肉な目で見ていた自分が、なんとラブコメの世界のヒロインに!

ダンプリン(2018)

 

 

主人公の母親が魅力的。
元ミスコンチャンピオンの自分とは違うタイプである娘のことを「Dumplin’(プニプニちゃん)」と呼びつつも、決して母親として愛していないわけではないところがポイント。
主人公のコンプレックスの克服だけがテーマではなく、母と娘の関係や、主人公の良き理解者で同じように大柄な体形だった叔母さんを登場させることで、姉と妹との関係など、家族の在り方を巡る物語が描かれているのも良いなと感じました。

[あらすじ]
主人公のウィローディーン は、友達からは「ウィル」の愛称で呼ばれる、ズケズケとものを言うサイズオーバーの女の子。でも、元ミスコン・チャンピオンで今はミス・ティーン・ブルー・ボネットという美人コンテストを地元で主催している母親 (ジェニファー・アニストン) だけは彼女を「Dumplin’(=小麦粉などを練ってつくったお団子 dumpling)」と呼ぶ。テキサスの小さな街に暮らすウィルは、自分の体重の話には耳をふさぎ、ドリー・パートンの曲をヘビロテする毎日。あるとき、抗議の意味を込めて母親のコンテストにエントリーしたウィル。その思い切った行動は、他の出場者に勇気を与え、街の昔ながらの選考過程に新しい風を吹き込むことになる。 

ヘアスプレー(2007)

 

 

説明不要の名作。
トレイシーは自分の体型にコンプレックスは抱いておらず、とてもハッピーな女性なので他にご紹介した映画と少し違った文脈ですが、人種や体型への差別を取り上げた作品です。
作中で歌われている歌の歌詞にも差別に言及する内容が含まれており、大人になってもう一度観るべき映画だと思います。

[あらすじ]
1988年の映画をもとにしたミュージカルを再映画化。ジョン・トラヴォルタが女装で30年ぶりにミュージカル映画に出演したことも話題になった作品。

舞台は1962年、アメリカのボルチモア。トレイシーは歌もダンスもセンス抜群な16歳の女子高生。ぽっちゃり体型であることはまったく気にせず、夢は人気のテレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出演すること。

ある日、番組でレギュラーメンバーのオーディションが開催されることを知り、トレイシーは喜んで参加しようとします。しかし、番組プロデューサーのベルマは人種差別主義者。トレイシーは体型だけで不合格を言い渡されます。その後の彼女の行動とは?

クィア・アイ(2018-)

 

 

アメリカ発のリアリティ番組。
悩みを抱え、自信を失った人々の元にファビュラスな五人組が訪れ、それぞれの個性を生かしながら、ゲストの人生に寄り添い、問題解決の糸口を見つけていきます。

彼らが繰り返し唱えるのは「セルフラブの大切さ」。ファッションも、仕事も、家族や知人との関わり方も、自分らしく自由に楽しもう。ゲストだけではなく、視聴者にも前をむく力を与えてくれる番組です。


サヴェージ・フェンティ・ショー(2019-)

 

 

エミー賞を受賞した歌手リアーナの「サヴェージXフェンティ・ショー」。多様性をコンセプトに2018年に立ち上げたランジェリーブランドサヴェージ・フェンティ。その世界観を濃密に表見するスペクタクルショーは、圧倒的なパワーで観る者の美の価値観を上書きしていきます。Vol.4では、ファッション、ダンス、音楽の融合と、ノクターナルで非現実的な演出で魅惑的なショーを披露。世界的スターたちが今季最新のサヴェージXフェンティ スタイルを着こなし披露する圧巻のパフォーマンスは必見です。



前回のコラム
ニュービューティ、これからの新しい美の定義とは(2)

 

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