こんにちは、yeni ディレクターの九冨 里絵(くとみ りえ)です。


デザイン性を重視したランジェリー、補正下着などジャンルを問わず、多くのブラジャーやショーツは着用時の身体の美しさと締め付けなどの着心地のバランスが大変重視されます。


色や装飾という上物のデザインへのこだわりだけで下着をつくることはできません。

生地やゴムの伸び率、ホックの数、カップのつくり、細部にまで計算が必要です。


下着を作り始めた時、難しく感じたのは心躍るデザインと機能性の両立でした。無理な締め付けを我慢することなく、デザインを妥協することなく、一番好きな自分でいることができる、心地良い下着を目指しました。

 

このコラムではブランドディレクターの目線で「ランジェリーという装飾品」であり「アンダーウエアという消耗品」でもあるyeniの下着づくりの哲学についてお話しできればと思います。


今回は「ニュービューティを学ぶおすすめ書籍」をご紹介したいと思います。

 

「ニュービューティ」とは?

ニュービューティのキーワードは「ボーダーレス」と「ウェルビーイング」だと考えています。

美の多様性は世界中で様々な形で謳われていますが、特に成熟社会である現代の日本においては、自己実現を目指して生き方が多様化し、物事の価値や判断を個人が行い、個人が責任を負う状況になっています。

つまり、集団で支え合いながら生きてきた状況から、集団との関係は薄れ個人の責任で生きていく、いわゆる「個人化」の傾向が強くなりました。

 

「ボーダーレス」、不必要な境界線を取り払う動きは、職業における性差別をなくすといった基本的なことだけではなく、ユニセックスのアパレルブランドの増加や男性向けのスキンケア、メイクアイテムの出現など、ファッションや美容の分野でも活発になってきています。

 

そして、「ウェルビーイング」。幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態を指す言葉です。

 

ウェルビーイングが注目されるようになった理由の一つに、現代において「モノ」から「心の豊かさ」へと価値観が変化してきたことがあげられます。

効率や利益、売り上げなどの経済指標を優先してきた結果、格差の拡大や地球環境の悪化、貧困などさまざまな問題が起きました。成長を追い求めることに限界がきていると認識され、よりよい社会をつくる方向へ変化が起こりました。

私たちは、差別がなく、個人個人が自身の心の豊かさを追求する時代に突入しようとしています。

ブランド名のyeni(イェニ)は、トルコ語で「新しい」という意味です。

「女性が時代と共に変わりゆく価値観を柔軟に取り入れながら、軽やかに生きられるように」という思いを込めています。

 

新しい価値観を学ぶ書籍5冊を選書いたしましたので、是非下記のリストをご覧ください。

 

ブスなんて言わないで

ルッキズムは、彼女たちがぶっ潰す――!
『美人が婚活してみたら』の著者が描く、反ルッキズム×シスターフッドの物語!

「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた知子。大人になった彼女は、自分をいじめていた“美人”の同級生・梨花が美容家として成功していることを知り、怒りに震える。知子は、梨花への復讐を決意する――。

連載開始直後からSNSで大反響の話題作、待望の第1巻!

 

僕はメイクしてみることにした

◎38歳の平凡なサラリーマンが飛び込んだメンズ美容の世界。ドキドキの冒険!
前田一朗、38歳、独身。平凡なサラリーマン。ある日、自分の疲れ切った顔とたるんだ体を見てショックを受けた一朗は一念発起、スキンケアやメイクを始めてみることに! コスメ大好き女子の“師匠”タマとの出会いや、ノーメイクを選択する同僚の真栄田さんとの交流を通して、一朗は自分を労ることの大切さやメイクの楽しさに目覚めていく。そして、男らしさの呪縛にとらわれる親友の長谷部と衝突するのだが……。

性別も年齢も関係なく、誰でもメイクを楽しんでいいし、メイクをしない自由もある。
毎日を心地よく生きるための、セルフケアとしてのメンズ美容。

◎ぼる塾・田辺さんおすすめ!
「メイクは男、女、モテる為、関係ない。自分の機嫌を取る為の物。
コスメを買った時のウキウキ、使用した時のトキメキを
この漫画は思い出させてくれますよ」

◎VOCEウェブ発のマンガ連載、累計1000万PVの大反響!!!待望の単行本化。

 

美とミソジニー:美容行為の政治学

化粧、美容整形、脱毛、ハイヒール……
美しくなろうとするのは「個人の選択」なのか?
女性たちはかつてコルセットや纏足で足腰を変形させたように、今もなお身体に負荷をかけながら美を追求している。健康と引き換えに美しくなることで女性たちが生きやすくなるのなら、この社会は一体どんな社会なのだろうか?
本書は、美容行為(産業から日常的なものまで)を、男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する。
韓国・脱コルセット運動の原点にもなった、ラディカルフェミニズムの名著。

 

わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

「ウェルビーイング(Wellbeing)」とは、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも「よい状態」のこと。心身ともに満たされた状態であることを指す言葉です。情報技術が私たちの暮らしを便利にする一方で、利用者の心の状態への負の影響も指摘されている現在、ウェルビーイングに対する注目が高まっています。

本書は、ウェルビーイングとは何なのか、そしてそれをどのようにつくりあうことができるのかについて解説した書籍です。わかりあえなさのヴェールに包まれた他者同士が、根源的な関係性を築き上げ、共に生きていくための思想、実践、技術を照らし出します。

ユーザーに愛されるプロダクトやサービスの設計を目指すデザイナー、エンジニア、ビジネスパーソン、また、組織環境を良くしたい人事・総務担当者などにおすすめの一冊です。
「わたし」のウェルビーイングから、「わたしたちの」ウェルビーイングへ。「個でありながら共」という日本的なウェルビーイングのあり方を探求します。

論考:
伊藤亜紗/生貝直人/石川善樹/岡田美智男/小澤いぶき/神居文彰/木村大治/小林 茂/田中浩也/出口康夫/水野 祐/安田 登/山口揚平/吉田成朗/ラファエル・カルヴォ

 

幸せのメカニズム 実践・幸福学入門

幸せはコントロールできる! 脳・ロボット学者が解き明かす、そのしくみ。個人の幸福追求、幸せにつながるビジネスのために。人類にとって役に立つ、学問としての体系的幸福学。幸せの四つの因子●「やってみよう!」因子●「ありがとう!」因子●「なんとかなる!」因子●「あなたらしく!」因子 (講談社現代新書)

 

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