こんにちは、yeni ディレクターの九冨 里絵(くとみ りえ)です。


デザイン性を重視したランジェリー、補正下着などジャンルを問わず、多くのブラジャーやショーツは着用時の身体の美しさと締め付けなどの着心地のバランスが大変重視されます。


色や装飾という上物のデザインへのこだわりだけで下着をつくることはできません。

生地やゴムの伸び率、ホックの数、カップのつくり、細部にまで計算が必要です。


下着を作り始めた時、難しく感じたのは心躍るデザインと機能性の両立でした。無理な締め付けを我慢することなく、デザインを妥協することなく、一番好きな自分でいることができる、心地良い下着を目指しました。

 

このコラムではブランドディレクターの目線で「ランジェリーという装飾品」であり「アンダーウエアという消耗品」でもあるyeniの下着づくりの哲学についてお話しできればと思います。

 

今回は『ファッションのための下着、ファッションとしての下着』と題して、ランジェリー、アンダーウエア、ファンデーションの違いについてお話ししたいと思います。


ランジェリー、アンダーウェア、ファンデーションの違い

「下着」というと「ランジェリー」が連想されがちですが、目的や働きによって「ランジェリー」「アンダーウエア」「ファンデーション」の大きく三つに分けられます。

「ランジェリー」は下着におけるおしゃれを楽しむためのもので、ファッション性に富んだものを指します。肌の皮脂がつかないようにしたり、透けるのを防ぐといった役割もあります。アイテムとしてはスリップやキャミソール、ペチコートなどがあげられます。

近年は「見せる」ためにある、美しい下着を指して、パッドのないレースのノンパテッドブラジャーやトライアングルブラジャー、薄手のショーツやソングをランジェリーと呼ぶことの方が多いように思います。


「アンダーウエア」は、季節に合わせた素材を選び、暑さや寒さからからだを保護する下着です。洋服に近い感覚で着こなせるものを「アンダーウエア」と呼ぶこともあり、定義は曖昧です。主な役割は、汗を吸収したりして体温を調節したり、皮ふから分泌される汗や皮脂などを吸い取り、洋服の汚れや傷みを防ぐことです。ショーツやボトムを指すこともありますが、袖付きのシャツなどがわかりやすい例です。


「ファンデーション」という言葉は聞き馴れないかもしれませんが、ボディを締め、盛り、整えるための下着。いわゆる補正下着を指すこともありますが、アイテムとしてはブラジャー、ボディスーツ、ガードルなどのことです。


ランジェリーの使い方

主に日本のブランドのオンラインショップなどでは、ランジェリーというカテゴリーにスリップとキャミソールが分類されていることが多く見られます。スリップはワンピース型の下着で、中にはカップ付きのものもあります。


スリップの上半身部分のみの丈のものをキャミソールといい、レースがあしらわれているなど装飾があり、重ね着して外に見せる仕様のものもあります。


主にファンデーション(この場合はブラジャー)の上から身につけるのが一般的で、アウターの滑りを良くし、気温の調節や皮脂などの汚れから洋服を守るために使用するのが主な目的です。


ただし、上にも書いたように近年は「見せる」ためにある、美しい下着を指して、ランジェリーと呼ぶことの方が多いように思います。


アイテムとしては、パッドのないレースのノンパテッドブラジャーやトライアングルブラジャー、薄手のショーツやソングなどです。


下着そのもののおしゃれを楽しむ人が増え、ファッション性に富んだランジェリーと洋服をコーディネートして外に見せて着ることが、ここ数年Instagramなどを中心に流行り始め、当たり前のこととして世の中に受け入れられつつあります。


アンダーウエアの定義

近年はユニクロから発売された「ブラトップ」の爆発的なヒットなどの要因により、アンダーウエアの定義はかなり曖昧になった印象です。


「カップ入りインナー」とも呼ばれるブラトップは、タンクトップやキャミソールの内側に、ブラジャーの代わりとなるカップやパッドが内蔵されているアンダーウエア(インナーウエア)。 下にブラジャーを付ける必要がありません。



ファンデーションの役割


 

ファンデーションの主な役割は、直接身につけて身体のラインを整えることです。


主に、バスト周辺の補正=ブラジャー、ウエストやヒップ周辺の補正=ガードルなどがあります。


ファンデーションの種類は豊富で、例えば、ブラジャー一つをとっても大きくワイヤー入りブラとノンワイヤーブラに分けられます。ガードルにもショートガードルとロングガードル、ボディスーツがあります。


ファンデーション選びは自分の体形や、着用する目的に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。


新時代の下着 All-in-oneという考え方


 

yeniの下着もそうですし、よりわかりやすい例でいうとユニクロから発売された「ブラトップ」などは「ランジェリー」「アンダーウェア」「ファンデーション」の垣根を越えようと企画された商品です。


技術の進化により、補整力などの機能性にも優れた商品の開発が可能になりました。


そこに、見る目の肥えたお客様にご満足いただける商品をという企業の努力が加わり、見た目にも美しく、機能性に優れた高機能商品が多く生まれるようになりました。


昔であれば「ファッションのための下着」つまり、ドレスを美しく着るためには下にダサい補正下着を着なければならないというようなことがあり得ましたが、今はその多くが「ファッションとしての下着」つまり、見た目にも美しいものとなりつつあるように思います。


とはいえ、やはり一つの商品で全ての役割をこなすのは困難。着用する目的に合わせて最適な下着を選ぶ具体的な方法なども今後お話ししていければと思います。

 

前回のコラム
下着の買い替え時期について

 

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